• テキストサイズ

レッテル 2

第15章 疑いと手枷


「はぁ?んなもんしてねぇよ!!証拠はあんのかよ!?ねぇのに連れていけるわけねぇだろ!!お前等は!!」

誠也君は立ち上がろうと必死にもがいている。

「そんなの、別件で連れていけば良いだけの事だ。クズは所詮クズ。本当に頭が悪いな。」

橋田の口角が高くつり上がる。

「クズはどっち!?アンタにされたこと、いまだに忘れてない!!」

ギュッと拳を握って橋田を睨み付ける。
すると、橋田の顔が汚ならしく歪んだ。
僅かに汗が垂れている。

「と…とにかく連れていけ。」

焦った橋田が逃げるように玄関を出た。
連れていかれる彼の腕にかけられている手錠。

ドサッ――

床に座り込むあたし。
溢れてくる涙。
走り去るパトカーのサイレンの音を聞かずに、子供のように泣いた。
/ 542ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp