第15章 疑いと手枷
"そんなん気にしてねぇよ"
彼女に嘘をついた。
本当はスゲェ気にしてる。
でも、考えても仕方ない。
それに何なんだあの女達は?
媚びるような態度。
思い出すだけで、全身に鳥肌が立った。
「誠也君、お風呂掃除お願い。」
台所で晩御飯を作っている彼女が言った。
「あぁ。」
頷いてソファーから立ち上がる俺。
リビングから廊下へ出る。
――でも、妖怪達のおかげで仲直りするきっかけが出来た。
緩む口元を押さえながら、浴室へ向かう。
「なに、ニヤニヤしてんだよ。」
「うぉッ!?」
突然の声に驚く俺。
なんとも間抜けな声を出してしまう。
「ださ。」
清治が呆れたように俺を見ている。
「うるせー。」
恥ずかしさで頬を紅潮させる俺。
そんな俺をジッと清治が見ていた。