第14章 喧嘩の渦
「どーせ暇なんだから良いだろ?それに何かに使えるかもしんねーし。」
それを聞いてヘラヘラと笑っている。
彼にとって彼女達は便利な道具なのだ。
「カズくんまったぁ?」
声を揃えて進藤に近寄る女達。
先程よりも更に濃い顔で媚びている。
「待ってねぇよ。」
キュルルルル―――
ヴォンヴォンヴォン―――
進藤はそう言うとバイクのエンジンをかけた。
軽く吹かしている。
「で、どっちが俺の後ろに乗るんだよ?さっさとしろ。」
「美香(みか)でーす。」
金髪の髪を盛った女が手を上げた。
そして、進藤の後ろに跨がる。
「じゃあ、愛結(あゆ)はケンの後ろな。」
「はぁ?」
進藤の言葉に、糸井が不服そうだ。
「頼むわ。」
進藤の目が彼に向く。
「わかったよ。」
仕方なく、糸井は頷いた。