第14章 喧嘩の渦
「事じゃねぇよ。それより、なんでこんなとこでバイクイジってんだよ。」
進藤は首を横に振ると、糸井の方を見た。
「どーせ、バイクが気になってんだろ?ちょっとおかしいのは、今に始まったことじゃねぇじゃん。」
コンビニで買ってきたアイスを食べながら黒のツーブロックの髪をした武本 直也(たけもと なおや)が言った。
アイスがシャリシャリと音を立てている。
「今時季、アイス食ってるお前も普通じゃねーけどな。」
スキンヘッドの大男の北山田 雅美(きたやまだまさみ)が武本を横目で見ている。
「同感。」
「言えてる。」
「今同じ事思った?」
「思った。」
「意気投合?」
「イエス!!」
同じ顔をした男達が手を握りあっている。
髪の色は金髪とオレンジで髪型も短髪でそっくり。
唯一違うところはホクロの位置。
金髪の兄、和田淳二(わだじゅんじ)は右目の下にホクロが。
弟の真二(しんじ)は左目の下にホクロがある。
知り合いはいつもそこで判断していた。
親も同じ。
判断する基準がそこしかない。