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レッテル 2

第14章 喧嘩の渦



達の住む町の大手コンビニエンスストアの駐車場。「かして。」

袋に買ったものを入れると、彼が買い物袋を手に取った。

「……。」

清治君も黙って手に取る。
そして、スーパーを出る。
結局、3つの買い物袋は彼等の手に。
買い物に寄ると言った自分は手ぶらだ。

「……ありがとう。」

小さく呟くように言うあたし。
あたしの声は聞こえているだろうか。

「……気にすんな。」

振り向かずに前を歩く彼が不器用に言った。

あ…忘れてた。

イライラしていた事で冷静に慣れなかったあたし。
そういえば彼は口が不器用だったんだ。
だから、上手く言葉が言えないんだ。

そう思うことで、少し安心できた。



「やられた?誰に?」

改造された単車。
それに股がる進藤が携帯で話していた。
ジッと彼の仲間がそれを見ている。
愚連隊の幹部連中だ。

「赤?金?紫に黒?それに女?馬鹿かお前。適当こいてんじゃねーゾ?」

進藤の眉間にシワがよった。

「あぁ、髪の話か。ならはなっからそう言えよ。…んで、女と一緒にいたと。……へぇ、そりゃおもしれぇ。」

口角が高くつり上がる。

「とにかく居場所突き止めろ。失敗すんなよ。」

彼はそこまで言うと通話を切った。

「頭悪すぎ。」

携帯をしまいながら呟く進藤。

「なにが?」

バイクの調子を見ている副総長の糸井源吾(いといけんご)が尋ねた。


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