第14章 喧嘩の渦
「で、どうすんだ?これじゃ居場所バレんのも時間の問題じゃね?」
ガシガシと頭を掻きながら清が言った。
「なら、来るやつ片っ端からぶっ殺せばいいだろ。」
今の俺は、何かを考える余裕もない。
頭の中は彼女でいっぱい。
所詮"野郎"である俺は、女の事しか考えられないガキ。
本当に腐った奴だよ、俺は。
総長の資格、それどころか誰かを守る資格すらないバカな野郎だ。
「強引だな。まぁ…ぶっ殺すは置いといて、それしか方法はないだろ。」
俺の言葉に頷く拓。
「……また喧嘩するってことですか?」
心配そうにが尋ねる。
「まぁ、そうなるかな。」
「………。」
答えた拓からが顔を反らす。
争いを嫌う彼女の事だ。
不安になっているに違いない。