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レッテル 2

第14章 喧嘩の渦


「俺一人でも余裕だったんだけど。」

同じく、手の甲に血を張り付けた清治がボソリと言った。

「喧嘩は一人でするもんじゃねーっての。」

「そうそう。」

首をボキボキ鳴らす清に、ヘラヘラと笑っている翔。

「こいつらも、死鬼の奴か?」

拓は、倒れた男達をジロジロと探るように見ている。

「だろうな。」

頷く俺。

――それよりも、彼女の方が心配だ。

と、の方へ目を向けるが、

「……。」

一瞬だけ目があっただけで、直ぐに反らされた。


ズクン―――


痛む胸。


どんな痛みよりも、彼女に嫌われる事が一番辛い。


そっと彼女から顔を反らした。

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