第14章 喧嘩の渦
「全然余裕。」
その言葉を合図に走り出す俺達。
今日はむしゃくしゃしていた。
彼女の事とか。
ドガッ――
だから相手を殴る拳にも力が入る。
「ぅぐっ―――」
俺の拳を受けた相手の口角から血が垂れる。
そんなのお構い無しに打ち続ける拳。
相手に反撃の余地も与えない。
ゴシャぁッ―――
「ホゲッ―――」
気付けば倒れていた相手。
最後に一発顔面に拳をめり込ませれば、白目を向いた。
やり過ぎ?
知らねぇ。
甲に血のついた手を降りながら煙草を取り出す。
喧嘩の後に吸う煙草ほど、うまいものはない。