第14章 喧嘩の渦
ゴォォオオオオ――
路地を出るとバイクの音はますます激しくなった。
何度も同じようなバイクが横を通りすぎていく。
なんだか見られているような気がした。
「なんかおかしくないか?」
藤崎先輩が振り向いて言った。
「何が?」
皆が首を傾げている。
「さっきからバイクが何台も通ってる。しかもナンバーが隣町のものだった。探してるんじゃないか?」
「何を?」
「……清治の事とか。」
先輩の目が清治君に向いた。
「……死鬼だよ。きっと、進藤が俺を探させてるんだ。」
黙っていた清治君が口を開いた。
「なんで?」
西村先輩が尋ねる。
「俺がタイマンで勝ったから。」
「んな、バカな。」
西村先輩と三善先輩が笑っている。