第13章 恨みの連鎖
「助けて貰った事には感謝してる。だけど、俺から桜を奪おうとすんなら、今すぐにでもぶっ飛ばす。」
ギュッと握る拳。
顔の前まで持ち上がる。
「…………。」
それをジッと宗次郎は見ていた。
すると口許を緩め、
「本当に…そっくりだ。」
突然笑いだした。
声には出さないものの、口元を手で押さえて微かに震えている。
「馬鹿にしてんのか?」
訝しげに見る。
「いや、あまりにも尊敬している人に君が似ていて…そう見えたならすまない。」
謝っていてもまだ笑っている。
「…………。」
――意味わかんねぇ。
俺は、ジッと見続けていた。