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レッテル 2

第13章 恨みの連鎖


目線の先にあるのは、桜と岩中の若頭。
彼女の後ろに、アザだらけの男がいる。

「――せ。」

微かに聞こえてきた声。
宗次郎のものだ。

すると、彼女が目を擦り、ジッと宗次郎を見ていた。
そして、わずかに反らす彼女の顔。
微かに頬が桃色に染まっている。


イライライラ―――


身体のそこから沸き立つどす黒い負の感情。
それは、あっという間に全身を覆った。

なぜ、奴はいつもタイミングよく彼女の前に現れるのだろうか。
偶然にしろ、腹が立ってしかたない。

まるで、今まで築き上げてきた大事なモノが奪われていくようで。

醜い嫉妬心が生まれる。


「………。」

彼女が此方を見た。
笑いかける余裕もない。

すぐ、顔に出やすい俺。

想像しなくても、自分が今どんな顔をしているかなんて直ぐにわかる。

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