第13章 恨みの連鎖
少し前の事。
タッタッタッ――
辺りに響く足音。
彼女が心配で、ただひたすら走った廊下と階段。
俺がいた屋上は彼女がいる場所とは別の棟の為、移動に時間がかかる。
けれど彼女が心配で、彼女の元へ急いで向かう。
「あ、総長。」
途中、兵隊に出会ったが完全に無視。
今はそれどころではない。
ようやくたどり着いた、教室がある棟。
一気に階段をかけ上がる。
もうすぐだ。
もうすくで着く。
でも、目的の場所には山代のオッサンがいるかもしれない。
そうなれば喧嘩になる可能性も高い。
けれど、その事に対して恐怖はない。
"ただ彼女を守りたい。"
その一心で四階の廊下に足を踏み込んだ。