第13章 恨みの連鎖
「うっとうしいんジャ!!どいつもこいつも!!」
とうとう何かの糸が切れたらしい。
善司が怒りで地団駄を踏んでいる。
ゴリラだ。
「ならば、帰ればいいだけの話だ。頭を使え。」
無表情で宗次郎さんがそれを見ている。
それはそれで恐い。
なんらかのリアクションは欲しい所だ。
「帰れるか!!このまま帰ったらワシの面子丸潰れや!!」
「やっかましいねん、オッサン。ハッキリゆうたるわ。おどれに面子なんかない。」
耳を押さえた加藤が本当にハッキリと言った。
「誰にそんな口聞いとんや!!クソ犬!!」
それを聞いた九条が吠える。
「おどれの組の若オッサンにきまっとろうがい!!」
加藤も吠える。
「誰がオッサンじゃ!!」
ついでに、善司も吠える。
九条+加藤+善司=騒音。
この式の元に今あたしの耳は破壊されそうだ。
手で耳を押さえたくても、とらえられているためそれが出来ない。
顔を歪めながら耳を押さえている松崎君が、本当にうらやましい。