第13章 恨みの連鎖
「落ち着け、加藤。」
「……すんません。」
若中がいくら止めても暴れていた加藤が、宗次郎さんの一声でおとなしくなった。
さすがと言うべきか。
この人は本当にすごいと思う。
こう言っちゃなんだが、この漫才みたいな空気が一気に変わった気がする。
再び緊張感が流れる。
「また邪魔しにきたんか、おどれは?」
威圧的な善司の目が宗次郎さんを射る。
「いや、銀髪件は岩中は関与しない。……が、他の一般人を捲き込もうとするのが気にくわない。」
しかしそれに動じず、宗次郎さんもジッと善司をみている。
「ワシは、おどれ等がいちいち出しゃばるのが気にくわんわ!!」
善司の声が響く。
けれど、ザワザワとした声に消されていった。
よく見れば、先程より遥かに多い生徒達が、窓から押し合ってこちらを見ている。
要するに、興味本意で出来た野次馬だ。
「そんで、…ざわざわざわざわやかましいわ!!ガキは黙って勉強しとれッ!!」
後ろを振り向いて、また善司が叫んだ。
完全に八つ当たりだ。
生徒達の頭が一斉に引っ込む。
けれど、またヒョコヒョコと頭は現れる。
それを善司が睨み付ける。
また引っ込んだが、再び現れる頭。
それが何回も続いた。
まさに、無限ループだ。