第13章 恨みの連鎖
「卑怯やねん!!なに後ろから不意打ち決めとんや!!」
「あー、雑音が聞こえる。」
「おどれ…。」
九条が耳を押さえた事で、加藤の眉間に大量のシワが寄った。
「殺したるッ!!」
「兄貴落ち着いて!!」
今にも飛びかかろうとしている加藤を、必死に岩中の若中が止めている。
「おどれはやっぱり学がないのぉ。」
それを見て、カッカッカッと笑う善司。
「何やて!?」
ますます加藤の怒りの炎が炎上。
もう若中達で止められるかは定かではない。
というより、何しに来たの?
もう他所でやってくれ。
本当に迷惑だ。
「学が無いのは、お前も一緒だろ。」
また新たな声が聞こえてきた。
――今度はマシな人が来ますように。
切実に願う。
「……宗次郎ぉ……。」
つり上がっていた善司の口角が一気に下がる。
明らかに不機嫌そうな顔をしていた。
現れたのは宗次郎さん。
どうやらあたしの願いは叶ったようだ。
ありがとう神様。
初めて神様に感謝した。