第1章 絶望の宴
「次はどこを狙ってほしい?…簡単には死なせない。」
銃口を向けたまま、ゆっくりと宗次郎が近付く。
「お前に俺が――」
パァンッ――
「ッ―――。」
花村の拳銃が弾きとんだ。
「答えろ……はやくッ!!」
宗次郎が猛った。
「ヒィィイイイ――。」
花村が足を引きずりながら転がるように逃げていく。
「こっこの女がどうなってもいいんかッ!?」
「キャッ―――。」
懐から出したドスを手に持ち、レイカの髪を掴んで喉元に刃を当てた。
「クソがぁッ!!花村ァ!!」
江田が拳銃を持ち、銃口を花村に向けた。
「おっと、動くと喉が切れるぞ?」
花村がニヤニヤと笑っている。
「兄さん――。」
涙を流すレイカの揺れる瞳が江田を映す。
「切ってみろ?…同時にお前は死ぬんだ。」
宗次郎が銃口を向けながら近づいてくる。
「……クソッ!!来いッ!!」
「やっ―――。」
花村がレイカを連れたまま部屋を飛び出した。
「花村ぁ!!」
その後を江田が追いかける。
「………。」
無言で宗次郎も部屋を出ていった。