第13章 恨みの連鎖
「九条のオッサンきっつい顔やなぁ。」
パタパタと扇ぐ加藤。
「うるさいんや、小物は黙っとれ!!」
激しく加藤を睨み付ける九条という男。
「小物?」
ニッコリと加藤の口角がつり上がる。
ただし、目は笑っていない。
「誰なんスか?」
建一君が近くにいた以前ラブホテルで見た若中の高橋に小さく尋ねた。
「山代の若頭補佐の九条 明宏(くじょう あきひろ)や。加藤の兄貴と犬猿の中――」
「いらんこと言わんでええねん。」
「す…すんません。」
高橋の言葉を加藤が遮った。
「お前若中に成り下がったんだってな、笑えるわ。」
鼻で笑う九条。
すると、加藤はバカみたいに高笑いしだした。
何がおかしいのか、あたしはさっぱり分からない。