第13章 恨みの連鎖
バンッ――
「誠也ッ!!」
「うぉっ!?」
突然開く扉。
現れたのは、拓と清。
来るとは思わなかったため驚いてしまう。
「ださ。」
また清治が笑った。
「どうした?」
それを横目に、尋ねる。
「山代組と岩中組がもめてる。」
「へぇ…。」
そりゃ大変だなと、まるで他人事のように言った。
いや、マジでどうでもいい。
「へぇって、桜ちゃんも巻き込まれてんだぞ!?」
「は?」
なぜか、俺と清治の声が重なった。
訂正。
全然どうでもよくない。
むしろ、一大事だ。
「どこで!?」
「一年の廊下。」
清が答えた。
「俺行ってくる。」
腰を上げる俺。
「お前は拓達といろ!!」
そう言って、屋上を飛び出した。