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レッテル 2

第13章 恨みの連鎖



あたしの手を引っ張って走る松崎君。
無条件であたしも走る。

「待てコラぁッ!!」

後ろからは男達の叫び声と足音が聞こえてくる。
だんだん近づいてくる足音。
確実にあたしが足手まといだ。
それに、これはあたしの問題。
松崎君には関係のないことだ。

「もう…いいよ松崎。」

走りながら息と共に吐き出す。
少々肺が苦しい。

「よくねぇ!!捕まったら何されるかわかんねぇんだ!!それに――」

松崎君の握る手に力が入った。

「守るっていったろ?」

振り向いた彼の顔は無邪気に笑っていた。
けれど、無情にも迫って来る男達。
もう後一メートルもない。
このままでは松崎君も巻き添えをくらう事になる。
それは避けたい。

行為は嬉しいけど、

「もう、本当にいいんだよ。」

動かす足を止めた。
彼の手にそっと触れる。

「きっと大丈夫。」

緩む口角。

ガシッ――

男達の手があたしに絡み付く。
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