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レッテル 2

第13章 恨みの連鎖


「いませーん。」

声が聞こえてきた。
麻央だ。

「いないよねぇ?」

麻央達が必死に否定してくれている。

「オッサン、このクラスに可愛い奴がおると思う?おらんよな。」

「おらんおらん、ブスばっか。」

松崎君達もだ。

"みんなが助けてくれている"

そう思うと胸が熱くなった。

――ありがとう。

心のなかで呟く。

「ホントか?ガキの言うことは信用できん。おい、一人一人顔を見てまわれ。」

「へい。」

けれど、男の言葉に部下であろう男達が一人一人顔を見はじめた。

――もうダメだ。


絶望が胸を過る。
教科書をおいて、覚悟を決めた。

「来いッ。」

すると、松崎君があたしの手を取って立ち上がった。
あたしも立ってしまう。
そして、走り出す。

「何しよんや、ガキ!!」

男達の目がこちらに向いた。

「あっ!!あの女です!!」

指を指される。

「つかまえろ。」

男の言葉と同時に教室を出た。
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