第13章 恨みの連鎖
「綺麗な顔をした茶髪の女です。」
声と共に聞こえてくる足音。
「こいつは?」
ガタッ――
そう言って腕を掴まれたのは美奈子だ。
無理矢理立たされている。
「いや、パーマはかけてなかったです。」
ドサッ――
ホッとしたように座り込む美奈子。
「じゃあ、こいつか?」
ガタッ――
次に捕まれたのは、佐藤(さとう)さんだ。
「全然違います。それに髪長かったです。」
ドサッ―――
手が離された。
「このクラスに可愛くて髪の長い茶髪の女はおるか?」
強面の男の人が低く言った。
一部のクラスメイトがあたしを見ている。
――見ないで見ないで見ないで。
そう心でさけぶが、視線が突き刺さる。