第13章 恨みの連鎖
バンッ―――
「銀髪の帽子被ったガキおるか?」
案の定、来た。
皆がそちらを見ている。
あたしは教科書を見て、気づかないフリをする。
よく考えれば間抜けな事。
だけど冷静になれない。
「い…いません。」
震える唇で答える女教師。
「ここもか――」
「んな、探しかたがあるか。」
男が立ち去ろうとするのを、ドスの効いた声が制した。
「兄貴。」
振り向く男。
「中も探せ。」
もう一人の格段に恐そうな男が中に入ってくる。
「ガキと一緒にいた女も探せ。そいつが知っとるかもしれん。顔、覚えとろうな?」
「もちろん、覚えてます。」
また一人増えた。
今度はアザだらけの男だ。
昨日、清治君がやった男に間違えない。
――……やばい。
タラリと額から汗が流れた。