第13章 恨みの連鎖
授業中。
あたしは、受ける気にもならない授業を受けながらボーッとしていた。
先生の言葉は耳の中を入っては通り抜けていく。
それを何回も繰り返していた。
要するに内容は頭に入っていない。
「はぁ……。」
小さく吐くため息。
目線が自然と外を向く。
寒い中、グランドで生徒達が体育をしている。
体操服の色からして、三年生だ。
――寒いのによくやるなぁ……。
そう思いながら、目線を徐々にずらす。
すると、玄関口の近くに数台の車が止まっていた。
見ただけでも分かる、ただならぬ雰囲気の車。
嫌な予感がする。
そして、廊下から聞こえてくる無数の足音。
バンッ―――
隣のクラスのドアが激しく開く音が聞こえた。
「銀髪の帽子被ったガキおるかぁ?」
続くように聞こえてきた独特な低い声色の声。
――やっぱり。
あたしは確信した。
昨日の連中が、清治君を探しに来たんだと。
次は確実にうちのクラスだ。
今あたしがばれては非常にまずい。
教科書を立てて、顔を隠した。