第13章 恨みの連鎖
その頃、たちの通う学校の敷地内に数台の車が止まった。
全部フルスモーク仕様で、誰だか分からない。
ガチャ―――
開くドア。
男達が降りてくる。
そして並ぶ、一台の車の後部座席のドアの前。
ガチャ―――
一人の男が丁寧にドアを開けた。
「ガキを、早よう見つけるぞ。」
降りてきたのは二十代半ばの、厳つい風貌の男。
いかにも"筋者"だと、誰が見てもわかる顔だ。
毛の生えていない眉にツーブロックヘアーの黒髪が、その顔を引き立てている。
悪い意味で。
「へいッ。」
頭を下げる男達。
「わざわざ、若の手をわずらわせる必要ないんじゃ。俺の手で充分片付く問題や。」
そう言って煙草を取り出す男。
近くにいたものが、素早く火を着けた。
「早よう行け。必ずここにおる…逃がすなよ?」
男の目がギラリと光った。
「へ…へいッ!!」
慌てて走り出す男達。
失敗は出来ないと焦っているようだ。
「あー、早よう終らせて飯食いたいわ。」
男もゆっくりと歩き出した。