第2章 命の灯火
PM5:26
「…ッ――ッ――。」
穏やかに眠っていた がもがき始めた。
一瞬苦しそうにしたかと思うと動きが止まった。
ピ――――――
そして、聞こえてくる耳障りな機械音。
心臓が一瞬止まりそうになった。
俺は走った。
「入っては―――」
看護師の制止を振り切り、彼女のいる部屋の扉を開ける。
「 ァッ!!」
彼女の元へ走った。
全く動かなくなった彼女を抱き締める。
「君!!退いて!!」
医者が来た。
後ろに機械を持った看護師もいる。
「はや――」
「目覚ますんじゃなかったんかよッ!!これじゃ……」
医者の胸ぐらを激しく掴んで揺らす。
「退きなさい!!このままじゃ本当に死ぬぞ!!」
物凄い剣幕で医者が叫んだ。
バサッ―――
俺は力なく手を下ろす。
隣では必死に心肺蘇生を繰り返していた。