第12章 真の家族
「兄貴、ガキくせぇよ。」
スプーンを持った勇人君が言った。
「うるせぇ。」
立ち上がって食卓へ向かう誠也君。
イラッ―――
あたしが言っても無視したくせにと、なんだかますます腹が立った。
とりあえず食卓につく。
が、会話がない。
それどころか、彼はあたしと目を合わそうともしない。
なにこれ?
あたし、なんか悪いことした?
すっごく気分が悪い。
「……ごちそうさま。」
「えっ?もう?」
あまり食べてないあたしに、斜め前に座る勇人君が驚いている。
隣に座る清治君もジッとあたしを見ている。
けれど唯一彼だけはあたしを見ようとしない。
ますます嫌な気分になった。