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レッテル 2

第12章 真の家族



「どうしてたんだ?」

車を降りた桜達に、誠也が尋ねる。

「あのね話せば長くなるんだけど……一言で言えば、あたしが宗次郎さんにたのんだの。」

「たのんだ?」

「うん、携帯で。」

そう言ってにっこり笑う。
けれど誠也は顔を歪めた。
彼の中にモヤモヤしたものが現れる。
それはどんどん心を侵食していき、苛立ちを生み出す。
要するにヤキモチだ。

「本当にありがとうございました。」

そんなことを知るよしもないは笑顔で宗次郎にお礼を言った。

「いや、気にするな。」

一方の宗次郎も微かに笑みを浮かべている。

「………。」

それがなお、誠也の苛立ちを煽(あお)る。

「…あーあ、また始まった。」

それに気付いたのか、勇人が小さく呟いた。
清治にいたっては、帽子を深くかぶり顔を隠している。
だから状況を理解出来ていない。

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