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レッテル 2

第11章 漆黒の棺桶



「ガキはよく見てるな。」

笑いながら誠也が言った。

「バカにしとるんか?」

振り向いた善司の眉間に大量にシワが集中している。

「あぁ。」

素直に答える誠也。

「…おどれはいっぺんあの世見せたろか?あ?」

それがなお、善司の怒りを煽(あお)る。

「協定。」

「いちいちうっさいんジャ、ボケッ!!」

ますます善司の眉間にシワが増えた。
けれど、誠也はニヤニヤと笑っている。
バカにするのが楽しくてしかたないのだ。

「若、買ってきました!!」

すると聞こえてくる男の声。
みれば大量の煙草の箱を抱えている。
1カートン以上ありそうだ。

「オゥ、遅か―――」

「あっ。」

男の腕から逃げていく煙草の箱。
地面をのたうちまわっているようだ。

「なにしとんジャッ、おどれは!!」

叫ぶ善司。
彼の怒りはつのる一方だ。

「すっすいやせん。」

慌ててそれを拾う男。

――山代組ってバカばっかだな。普通に1カートン買ってくりゃあいいのによ…。

それを眺めながら誠也はあきれていた。




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