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レッテル 2

第11章 漆黒の棺桶



「嬢ちゃんがここにおるんジャろ?」

振り向いて不気味に笑っている善司が、影を親指で指差した。

「知らねぇ。」

そっぽを向く誠也。
目線を合わせないようにしている。

「バレバレじゃ。」

そう言ってのぞきこむ影の方。
誠也の喉がゴクリと音を立てた。

「へ?」

覗き込んだ善司が間抜けな声を出した。

「なぁに?おじちゃん。」

そこには髪の長い幼い女の子が立っていた。
可愛らしいクマのぬいぐるみを抱えて、ジッと善司を見ている。

「これが嬢ちゃん?…いや、嬢ちゃんは嬢ちゃんやけど、嬢ちゃん違いや。」

困ったようにこめかみを掻きながら、少女を見下ろした。

「だから言っただろ?」

そう言いつつもホッとする誠也。

「ミユと遊んでくれるの?」

潤んだ瞳で少女が善司を見ている。

「は?嫌じゃ。ガキはあっち行け。」

シッシッと善司は子供を追い払う。

「……ブス!!アンタなんかアタチの方が願い下げよ!!」

そう捨て台詞を残し走っていく少女。

「なんやと!?このクソがきゃあ!!」

善司が猛った。

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