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レッテル 2

第11章 漆黒の棺桶



「おどれのはえのきジャ。」

ニヤニヤと笑いながら小指を立てて見せる。


イライライラ―――

誠也の中の怒りの炎が燃え上がる。
男として自分の息子をけなされるのは許しがたいらしい。
ただし、息子といっても下の話だが。

「えのきじゃねーし!!松茸に決まってんだろ!!」

誠也は中指を上げた。

「残念ながら、えのきジャ。」

グイ――

善司の力で、その中指が曲げられる。
誠也の顔が歪んだ。

「それにワシは松茸以上じゃ。よう昔は女に言われたわ。鳴きながら"デカイ"ってな。」

口角がつり上がる。

「昔?」

「今は…なぜか女が寄ってこんのジャ!!」

頭を押さえながら叫ぶ善司。

「そりゃそうだろ。全体的に獣くせぇ。」

鼻を押さえる誠也。

「なんやて?いてこますゾ、コラァ!!」

激しく誠也の胸ぐらを掴まれる。

「協定。」

「ムカつくわッ!!」

胸ぐらを放し再び地団駄を踏み出した善司に、

――やっぱ、このオッサンバカだ。

誠也は隠れて笑った。



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