第11章 漆黒の棺桶
その頃。
吉光の住宅街に止まった数台の乗用車。
全てフルスモーク仕様。
その前に強面の男達が並ばされている。
そして、電柱にもたれ掛かるように立つのは、不機嫌な善司。
シワを一気に眉間に集中させている。
「なんでガキ1人見つけられんのジャッ!!なめとんのかおどれ等は!?」
ベシッ―――
一番近くの男の頭を叩く。
それだけでもかなりいたい。
被害を被ったのは坊主の男。
「すいやせん。」
そう言いながら頭を押さえる。
「まぁ、えぇ………というと思ったか!!ワシゃあ、"まぁ、えぇ"とか言うのが好かんのジャ!!」
じゃあ言わなければいいのに。
皆がそう思った。
「とにかく探せ!!家の中もジャ!!あの怪我じゃどこにも行けん!!」
「い…家の中はさすがにサツ呼ばれます。」
「あ?」
「だからサツを――」
ゴキ―――
「ぎゃぁああ!!」
関節技を決める善司。
ネジ曲がりそうになる腕に、男は悲鳴を上げた。
「そんなん関係ないんジャ!!さっさといかんかぃ!!」
叫ぶ善司。
「へっへい!!」
皆が慌てて走り始めた。