第11章 漆黒の棺桶
「、帰るぞ。」
そして、聞こえてくる声。
振り向けば、誠也君と清治君。
天の助けとはこの事か。
「フッ―――」
また鼻で笑うような声が聞こえた。
前を向けば、さっきと同じ女。
だからフッてなんだよ!!
かなりムカつく。
「だれ?そいつ等。」
訝しげに、佐々木軍団をみる誠也君。
目付きが恐い。
「あなたが、この女の彼氏?」
ジッと女が誠也君を見ている。
「だったらなんだよ?」
彼が更に不機嫌になる。
「早くこのメス豚引き取ってくんない?邪魔なんだけど。」
チラリとあたしを見ながら女が言った。
ムカムカムカ――
更に怒りが沸き上がってくる。
邪魔なのはあんた等だよ!!
そう叫びたい。
「こいつ等、骨折っていい?なんか全体的にムカつくんだけど。」
そう言った清治君が誠也君を見た。
「砕くくらいにしとけ。」
そう言って煙草を取り出す誠也君。
「学校で煙草は……先生に――。」
「あ?」
口を開いた佐々木君を、煙草をくわえた誠也君が睨み付ける。
それも尋常じゃない目付きで。
「そうよ、先生に言うべきよ!!」
ここぞとばかり騒ぐ女達。
もう消えてほしい。