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レッテル 2

第11章 漆黒の棺桶


放課後。
一日が過ぎるのは本当に早いと思う。

「バイバーイ。」

「うん、バイバイ。」

麻央達と笑顔で別れ、出る教室。
まだ彼は来ていない。

たまにはあたしが迎えにいこう。

そう思いながら進める足。

「さん。」

途中で声をかけられた。
振り向けば、爽やかに笑う佐々木君。
こう言っちゃなんだけど、

"あなたが現れると迷惑なんです。"

とはっきり言いたいが、出来るのは顔をひきつらせるだけ。

「ハルぅう。」

そして、聞こえてくる女の声。
また、面倒臭い事になりそうだ。

「あたし達と一緒に帰ろぉ。」

そう言って彼にくっついたのは、またまた化粧の濃い方々。
笠井達より遥かにましだが、相手にしたくない分類に入る。

「ごめん、今日さんと帰ろうと思ってるんだ。」

いや、あたしはおもってないよ。

ますます顔をひきつらせるあたし。

「?」

女がチラリとあたしを見た。

「フッ――。」

女に鼻で笑われた。

――フッってなんだよ!!

ちょっとムカついた。



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