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レッテル 2

第11章 漆黒の棺桶


「はいはい。」

軽くあしらうあたし。
馴れというものは恐いものだ。
なんでも受け入れられる。

「逆らうと犯すぞ。」

「そういうこと言うのやめて。」

でも例外もある。
強い口調で言いながら松崎君を見るあたし。
例え彼の性格だとしても、これは許せない。
女は男の性の道具じゃないのだから。

「……わかったよ。」

ふてくされたように前を向く彼。
あたしはホッとため息をつく。
松崎君の事は嫌いではないけど、考え事をしている時に誰かの相手をする余裕がないだけ。
あたしは黒板に書かれている事を写し始めた。

カサッ―――

すると、突然目の前にクシャクシャになった紙が飛んできた。
松崎君だ。
広げて中を見る。

"俺の事嫌いになるな"

汚い字で荒々しく書かれた文字。
ここでも、彼の性格がにじみ出ている。
思わず笑ってしまった。


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