第11章 漆黒の棺桶
「誰、そいつ?」
痴漢騒動を終えた後。
学校の教室に着くと、清に尋ねられた。
「んー……ダチ。」
「はぁ?」
笑いながら答える俺。
清は訳が分からないというような顔をした。
「ダチかぁ。」
笑う拓。
「なんだよ?」
不思議そうに拓を見る。
「別に。」
まだ笑っている。
「そうかよ?…つかお前、別の席いってくれる?」
自分の席に座ると、前の席の奴に優しく(?)命令する。
「はっはい!!」
慌てて席を移動する男。
この学校の連中はわりと親切だ。
「清治、座れよ。」
「………ス。」
小さく頷くと、空いた席に座る清治。
ジッと清が清治を見ていた。