第11章 漆黒の棺桶
「血だらけの子は!?」
いてもたってもいられなくなって玄関を飛び出したあたし。
彼に尋ねる。
「…あそこ。」
そう言って庭を指差す彼。
向けば血だらけの少年がいた。
「大丈夫!?」
慌ててその子に近付くあたし。
近付いてみるとピクリとも動いていない。
でも微かに息はしている。
――手当てしないと。
そう思って抱えようとするが、女のあたしじゃ到底無理だ。
「………たく。」
溜め息と共に上がる少年の身体。
誠也君が少年を抱えたのだ。
「寒いからさっさと中入るぞ。」
彼の背中が玄関に消えていく。
「あ、まてよ!!」
勇人君も中へ入った。
「うん。」
あたしもその後に続いた。