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レッテル 2

第11章 漆黒の棺桶



「―――がきゃあ!!」

午後9時過ぎ。
外から変な声が聞こえてきた。

「な…何?…今の。」

あたしは慌ててベランダに出た。

「どうしたん?」

勇人君も来た。

「知らねぇけど、変な血だらけのガキが俺ん家の庭に入ってきた。」

煙草を吸い終えた彼が、ベランダに置いてある灰皿に煙草を押し付ける。

「それって…助けなきゃ。」

とっさに部屋に戻ろうとするあたし。

「やめとけ。」

彼に腕を掴まれた。

「どうして!?」

「厄介ごとにまきこまれんぞ。」

振り向いて見た彼の顔が真剣だ。

「でも――」

怪我人は放ってはおけない。

「……わかったよ。」

彼はガシガシと頭を掻くと、手を放して部屋へ入っていく。
あたしもついていこうとしたが、

「お前等はそこにいろ。」

と、聞こえてきたので止めた。

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