第10章 喧嘩王子
「あの…中学生の方はちょっと……。」
キャバクラ"アイリス"。
そこの入り口で止められる宮田。
「中学生は雇ってるくせになんか文句あんのか?」
宮田の目に力が入る。
「いや、しかし制服では――」
「あ?」
「だから制服では――」
バコォッ―――
「ふ…ぐ――。」
顔にめり込む拳。
倒れる男の身体。
「見た目で客選ぶのは良くないんじゃねーの?オニイサン。」
そう言って上から見下ろす。
「ガキがッ!!」
「調子のんな!!」
奥からぞろぞろと店の見張りが出てくる。
皆、強面で柄の悪い男達。
「だから、客だってわかんねぇの?」
そう言って鳴らす拳。
ゴシャァッ―――
「オベッ―――」
めり込むのに時間はかからなかった。