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レッテル 2

第10章 喧嘩王子



太陽が沈み空が闇に満ちる頃。
宮田は、桜が住む町の隣に位置する町の風俗店街を歩いていた。
彼の生まれ育った町。
土地勘はある。

「可愛い女の子いますよー。」

「お兄さーん。」

聞こえてくる呼び込みの声。
光輝く看板にネオン。
その間を様々な人間が歩く。
ほとんどがまともな人間ではない。
サラリーマン等がいるが、皆女目当て。
まともと言えようか。

ドンッ――

そこでもぶつかる肩。

「ガキ、アブねぇだろうが!!」

叫ぶ酔っぱらったオヤジ達。

「あ?」

振り向いたギラリと光る目。

「…す…すいません。」

酔いが一気に冷めた。
思わず頭を下げるオヤジ。

「……そんな言葉いらねぇから…くれよ。」

煙草を口から放し、煙を吐き出しながら手の平を出す。

「は?」

「金に決まってんだろ?」

宮田の眉間にシワが刻まれる。


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