第10章 喧嘩王子
「三人で入るの久しぶりだね。」
浴室。
身体を洗っている彼女が笑顔で言った。
「あ…あぁ。」
頷く俺。
勇人はもはや彼女を見ていない。
彼女が"三人で入ろう"そう言った時、正直耳を疑った。
普段そんなことを絶対に言わないであろう彼女が口にした言葉。
どれ程俺の心を掻き乱したか彼女は分からないだろう。
―――息子よ、反応するな。
そう言い聞かせるが、目線は彼女の方へ。
綺麗に洗われていく豊満な胸。
くびれのある腰。
そして、甘い蜜を蓄えた秘密の聖域。
ゴクリ――
思わず生唾を飲んでしまった。
いや、決して身体目当てじゃねぇけど、目の前で大好きな女の身体を見て反応しない男がいるだろうか。
答えはノーだ。
――ムクムクムク
湯船の中でも大きくなる息子。
今、彼女にバレたら非常にまずい。
完全に彼女の行為を無駄にしてしまう。
チャプン―――
そうこうしていると、身体を洗い終えた彼女が湯船に入ってきた。
――先に洗っててよかった。
そう思うが、近づく彼女の身体。
――ビンッ
さらに息子が元気になった。
「~~♪」
口笛で誤魔化すが、誤魔化しきれてない息子。
彼女が此方を向かないことが唯一の幸いだ。