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レッテル 2

第10章 喧嘩王子


「………。」

再び前を向いた宮田が歩き出す。
そして角を曲がる。

「……クッククククク―――。」

突然、宮田が笑いだした。
クシャリと髪を掴む。

「さいっ……こう――!!」

宮田の声が空に響く。
ジロジロと下校する生徒達が彼を見ていた。

「清治くぅ~ん。」

すると後ろから聞こえてくる媚びるような猫撫で声。
振り向けば、化粧の濃い制服を着た派手な女達が走ってくる。
進藤の取り巻き達だ。

「ねぇ、一緒に帰らなぁい?」

「皆で楽しいことしようよぉ。」

ベタベタと身に張り付く女達。
まるでそこら辺に生えている、身体に引っ付く草と変わらない。
中身も。
今まで中坊だからとバカにしていたくせに、進藤を倒した瞬間態度をガラリと変えて。

――とんだ尻軽女共だ。

宮田は鼻で笑った。

「ねぇ――」

バシンッ――

振り払う手。
自身から女達を引き剥がす。
地面に倒れる女達。

「いたぁい……どうしたの急に――」

「お下がりなんざ興味ねぇんだよ、尻軽女共。病気移されたくねぇから二度と俺に近づくんじゃねぇゾ、わかったか?」

上から見下ろしながら、ドスの効いた声で吐き出す。

「………。」

悔しそうに宮田を見る女達。
けれど何も言わない。
いや、言えなかった。
恐くて。
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