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レッテル 2

第10章 喧嘩王子


「つうか、何の前に現れてんだよ!!近づいたら殺すっつったろ!!」

「いつ?」

「夏の抗争。」

「んなもん、忘れた。」

耳を小指でほじる中村。

「テメェ、殺されたいか!?そのゴリラパーマぶち切るぞ!!」

誠也が立ち上がる。

「あ?やってみろや!!テメエの髪も抜くぞコラァッ!!」

中村も立ち上がった。

「テメェ!!」

車内で取っ組み合いを始めた二人。
周囲の人が怯えた様に見ている。
桜はそんな二人から距離をおいた。
まるで他人を装うかの様に。

「テメェはいっぺん殺さねぇと気がすまねぇ!!」

中村が叫んだ。

「とか言って今まで全部俺の勝ちじゃねぇかよ!!」

誠也が笑っている。

「どこが!?何勝かはしたわ!!」

「そりゃ、卑怯な手使ってだろうがよ!!」

「それでも勝ちは勝ちなんだよ!!」

「知るか!!」

二人の取っ組み合いは降りる駅まで続いた。


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