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レッテル 2

第10章 喧嘩王子


電車の中。
はムスッとした表情をしながら椅子に座っていた。

「で、ホントは何しに来たんだよ。」

それに触れないで誠也は言った。

「姫に会いに来たのもあるが、姫に免じてあることを教えといてやる。」

「なんだよ、その恩着せがましい言い方は。」

横目で隣に座る中村を見る。

「まぁ、聞け。お前、隣町の"死鬼(しき)"っつう愚連隊しってっか?」

「あぁ、最近勢力上げてでかくなってる奴等だろ?そのトップが進藤っつう奴で。」

「いや、今つうか今日から変わったらしい。」

「は?」

「中坊のガキが進藤潰してトップになったんだよ。」

「んな、バカな。」

中村の言葉に誠也が鼻で笑っている。

「笑い事じゃねーゾ?ソイツがかなりヤベェらしい。」

「だから?」

「こっちに攻めて来るとか危機感ねーのかよ?」

中村が真剣に誠也を見た。

「別にそんなの興味ねえよ。それよりも――」

チラリと隣に座るを見た。

「こっちのがやべーわ。」

タラリと額から汗が垂れている。

「怒った姫も可愛い。」

中村は見惚れている。

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