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レッテル 2

第10章 喧嘩王子


「誰がチンパンジーだ。俺は、ライオンの赤ちゃんなんだよ。」

息を切らさずに走る彼。

「どこが!?良くてマントヒヒだ!!」

中村も息を切らさない。
白の集団も普通についてくる。

いい加減にしてくれ。

そう叫びたいが、息を切らしたあたしには到底無理だ。

「でも姫はやっぱり子犬だな。」

チラチラとあたしを見ながら中村が言った。

「バカ言うな、子猫に決まってんだろうがよ。」

それに誠也君が反応した。

どうでもいいよ!!そんなの!!

そう、心の中で叫ぶあたし。

「お前……顔に似合わず結構可愛いこと言うな。」

「お前もな。」

あたしの頭上で繰り広げられている会話。

「い……いい加減にしてッ!!」

喉を振り絞って叫んだ。


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