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レッテル 2

第10章 喧嘩王子


「………。」

無言の誠也君。

「………。」

チラチラと見ながら、何故かあたしの隣を歩く中村。
好かれるのは嬉しいけど、学校まで来られるとさすがに迷惑だ。

「……テメェ、なにしに来た?」

中村を見ずに口を開いた誠也君。

「ひめ―――」

「消えろ。」

聞いといて答えさせない彼。

――意地が悪いなぁ。

と思ってしまう。

「テメェ、喧嘩売ってんのか?」

誠也君を睨み付ける中村。

「いや、バカゴリラの相手をしたくねぇだけだ。」

そう言って早く進む誠也君の足。
強く手を引っ張られる為、あたしもはや歩きになる。

「誰がバカゴリラだ!!」

しかし、普通に隣についてくる中村。
一番大変そうなのは後ろについてくる白の学ラン集団。

「ゴリラはジャングルへ帰れ!!」

走り出す誠也君。
無条件であたしも走ることになる。

「じゃあ、チンパンジーも帰れや!!」

中村も走る。
白の学ラン集団も走る。
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