第10章 喧嘩王子
「上に立つのに中坊もクソもないと思うんスけどね。」
「だからなんだ?」
「総長の座、もらうって事。」
ガシャン―――
激しく蹴飛ばされる机。
音を立てて、地面にのたうちまわる。
と、同時に振り上げられる宮田の拳。
ドガッ――
それが進藤の顔にめり込むのに、さほど時間はかからなかった。
「おもしれぇ……。」
拳の下で笑う進藤。
目が尋常じゃない程恐ろしい。
ゴシャあッ―――
気付いたら拳が宮田の顔にめり込んでいた。
並大抵のものじゃないパンチ力。
鼻血を吹き出す宮田。
再び拳を上げる。
周りの者がそれを恐ろしいそうに見ている。
目の前で繰り広げられる生々しい喧嘩。
マンガでもドラマでもない正真正銘の本番。
皆が息を飲んだ。