第10章 喧嘩王子
「散歩ねぇ…。」
ジッと宮田を見る進藤。
「何スか?族くれる気になった?」
笑う宮田。
「んなわけねーだろうが、誰が中坊なんかに――。」
「でも…"タイマンで勝った奴が総長の座を得る"それが族の決まりッスよね?例外は無しで。」
「何が言いたいんだ?」
「今からタイマンしましょーよ、ここで。」
立ち上がって、宮田は椅子に座る進藤を見下ろした。
「てめぇ、調子こいてんじゃねーゾ!!」
「中坊のくせ――」
ゴシャぁッ――
「ふがッ―――」
進藤の取り巻きの顔面にめり込む拳。
吹き出る血。
けれど目は進藤をとらえている。
顔面を蒼白させる生徒と教師。
恐くて誰もなにも言えない。