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レッテル 2

第10章 喧嘩王子


「なんなんだよお前……。」

使えない片腕を押さえながら男が少年を見た。

「俺?ただの中坊。」

口角がつり上がる。
そして歩み出す足。

「だから名前聞いてんだよ!!」

少年の背中に叫ぶ。

「は?おたく等に教える義理ねぇだろ。」

まるで興味が無くなったように振り向かずに進める足。
ザッザッと靴底が音を立てる。
ポタリポタリと銀色の髪から滴る血。

「……汚たねぇ。」

指先でそれを拭う。
ジワジワと血が染みた指先を眺めブラブラと歩きながら緩む口元。
人が避けるように通りすぎていく。

「……つまんねぇ。」

少年は、小さく呟いた。
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