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レッテル 2

第10章 喧嘩王子




「今度はもう片方もいっちゃう?」

ヘラヘラと笑いながら少年が放した男の腕は、ぶらぶらと力なくぶら下がっている。
ただぶら下がっているだけ。
本来の意味を果たしていない。

「テメェ!!」

周りの目を気にせず殴りかかる男達。
通行人は悲鳴をあげそうになった。
目の前で起こった光景に。
飛び散る血。

ゴシャあッ―――

肉の擦れる音。

「……つまんねぇ。」

そう呟く少年。
無惨にも散った男たちの屍を何の躊躇(ちゅうちょ)もなく踏みつけている。

グシャあッ―――

力強く踏みつけられた足首。

「ぎゃあぁぁああ!!」

悲痛の叫び。

「あぁ、わりいわりい見えなかったわ。」

少年は笑いが込み上げて仕方ない。



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