第9章 女子高生ハンター
ドン―――
ドン―――
バキィッ―――
最後に凄い音がしたかと思うとゆっくりと開く扉。
外の明かりが徐々に入ってくる。
そこから見える逆立てた髪のシルエット。
不気味なオーラ。
光る目。
剥き出しの牙。
野獣だ。
「誠也君ッ!!」
が橘から離れ、野獣に近付く。
「なんもされんかったか?」
目を疑う程、優しく笑っている野獣。
「うんッ。」
嬉しそうに笑う。
――この二人ひょっとして…
橘は自分のした行動に後悔した。
「桜、先戻ってろ。」
「うん。」
去っていく。
「人の女に手ぇ出して……死にてぇみてぇだな?」
再び舞い戻ってきた野獣の顔。
ドンドン迫ってくる。
「ひぃぃいい!!」
逃げようとするが、もう遅い。
「ぶっ殺す。」
橘は、野獣の餌食となった。